【アメリカ】ロス公演「海から豚がやってきた」 観客2000人、舞台に感動

ミュージカル「海から豚がやってきた」ロサンゼルス公演(6月26日、カミノ大学マーシー劇場)はホールいっぱい2000人の観客が詰め掛け、大成功を収めた。今回の公演とそれに向けた関係者の取り組みなどを振り返ってみたい。
 公演前日の25日には歓迎晩さん会が開かれ、沖縄からの総勢60人を温かく迎えた。司会を務めた北米沖縄県人会前会長の比嘉朝儀さんが、全出演者を紹介した。団長の高山朝光さんはハワイ同胞のこの偉業を過去何回となく新聞に紹介したことを説明、さらに「ロサンゼルスの観客はミュージカルに対する目が高いのでそのつもりでしっかり自分の役柄にはまってほしい」と出演者やスタッフを激励した。

 県観光商工部交流推進課の照喜名一さんと新屋美智代さんは「沖縄県ではこのミュージカルを、第4回世界のウチナーンチュ大会プレイベントと位置付け、同時に沖縄の文化遺産として保存し、あらゆる所で公演していく所存」とあいさつした。
 当日の26日は公演に先立ち式典があった。公演のプロデューサーで公演実行委員長の多和田真友さんと女優のタムリン・トミタさんが司会進行役を務め、WUB北米支部会長のノーラン比嘉さん、原作者の下嶋哲朗さん、マッカーサー役のジョージ・タケイさん、メイクアップアーティストのカオリ・ナラ・ターナーさん、マッカーサー財団理事長のウイリアム・デイビスさん(ニュージャージー在住)らを紹介した。
 それぞれがあいさつしたが、「公演の知らせがあり、初めてこの歴史上の事実を知ることができた」と実現にこぎ着けた人々の努力に感謝するあいさつもあった。公演では「沖縄を救え」と提唱、5万ドルの寄付を募るために奔走した比嘉太郎さん(故人)役には、息子でサンディエゴ在住のアルヴィン比嘉さんが演じた。
 そもそもこの公演は、昨年ハワイで上演された同ミュージカルを鑑賞した旅行社社長の上原民子さんが「ぜひロサンゼルスでも」と提唱したのがすべての始まりで、昨年の暮れのことだった。WUBが主催者になり、プロデューサーの多和田さんが実行委員長、娘でアシスタント・プロデューサーのミシェル多和田さん、芸能プロ副社長川名卓さんの協力を得て、あらゆる方面に働き掛けてきた。
 公演終了後、多和田委員長は「はじめ公演は困難だと思った。しかし、沖縄県、うるま市民(特に旧具志川市民)、出演者、スポンサーなどの人々に面会しているうちに実現可能の兆しが見え始めた。演出家の池内美舟さんをはじめ多くの方々に感謝します」と話した。
 会社役員の男性は「非常に感動した。沖縄を2度旅行したがその史実は知らなかった。翻訳字幕(神谷良昌さん担当)などすべての面で素晴らしかった」と話した。原作者の下嶋さんは「はっきりは覚えていないが、沖縄の歴史を調べているうちにほんの2、3行その項目が目についた。書き終わるまでに8回はアメリカに渡航した」と語った。
 「次回はぜひニューヨーク公演を」と主張する声もあった。
(当銘貞夫通信員)

引用元:琉球新報 https://ryukyushimpo.jp/photo/prentry-3865.html

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次